K子の旅ログ

田舎OL・K子のぬるめなブラブラ海外旅行記たまに国内旅行記。小さい写真はクリックすると大きくなるよ!たまにフィクションを含みます(逃げ口上)。2017年8月現在移行作業中(いつ終わるんだ……)。なのでたまにリンクとか変なとこあるかもしれません。

遺跡の番人~独断と偏見に満ちたミャンマー事情⑤~

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さて遺跡の屋根(?)で、見えないサンセットを鑑賞中の我々です。
(心の眼で見るのだァァァ!……ホント、天候に恵まれない。)

しかしながら、この後に夕食の予定もあるし、暗くなると真剣に足下が危険なのでそろそろ降りることにしました。薄暗くなったパヤーの屋根(?)の上をそろそろと階段へ向かう。

ちょっとつまずいて勢いづいたら下までまっさかさまじゃないかな……。
階段を降りて通路に出て振り返ると、おいちゃんが再び、階段へ続く通路の柵を締め鍵をかけているところでした。遺跡の番人と言う感じです。

さっき上でガイドさんにきいたのですが、やはり多民族国家ミャンマー、民族によるサベツとかもあったりしちゃうそうで。若い人にはあんまり気にしない向きもあるそうですが、年配の方々にはやっぱり根強く残っているそうです。
ここバガンに住む人々もその一部は、その昔、立派なパヤーを作った王族たちがその管理をさせるために異国からつれてきた奴隷に端を発しているそうで、差別の対象になることがあるようです。あからさまに避けるとか嫌がらせあるとかではなくて、
「もし私がバガンの男の人と結婚するって言ったらたぶん両親は反対すると思います」
って感じにガイドさんが分かりやすく説明してくれました。
そもそも好き好んでミャンマーの地にやってきたわけでもなく、とは言え、もうここに定着してから数百年経とうと言うのにそういったことがあるわけで。かといってもう還る地もなくこのバガンと言う土地に縛られているわけですよ。なんだか切ないな~と思いました。
またおいでと笑うおいちゃんを見ていると尚更切なくなってしまったので、いっしょに写真を撮りましょう、と言ってみたり。おいちゃんが言う前に、写真は現像してガイドさんに預けるね!と伝えてもらいました。喜んで貰えたようで良かった。
 
このバガンの人々のことはそれで内戦だなんだとか言うほど物騒な話ではなさそうなのですが、そこまで激しくないからこそ(観光資源という収入源があることも関係していそうだが)、なんだかかえって難しい話なのかなあと思いました。
あからさまに避けたりしないってことは、サベツとかいけないなってみんな分かってるワケですよ。でもいざ、自分の子供が結婚します!とか言うと反対しちゃう。こういう気持ちの根っこみたいなのはなかなか変えられないのかもしれんですね。切ない。
なんかなかったですかね?インドかどっかの人権派の政治家かなんかが自分のムスメが被差別対象と結婚すると言ったら反対しちゃったとかそんなの。エラくふわっとした記憶だな……。

<ここからは旅行時ではなく今の私の思うところ>
私がミャンマーを旅行した2011年6月時点ではまだこの民族を巡る問題はそんなにヤバイ局面でもなかったのですが今は……北部の方は大変ですね。
軍事政権的にも国としてのまとまりは軽視してはいなかったようで「民族みんな仲良く」みたいなプロバガンダは結構見かけました。なんかうまいことまとめらんないけど、こういうことこそ開けた国になりつつあることによって、他の国からいいアドバイスとか受けられるといいですよねって思ったりします。おせっかいな干渉はノーセンキューとして。

スリランカを旅行するときに、スリランカの内戦のことなんかもちょっと調べたんですけど、そのことを思い出します。スリランカでは主に北部をメインに分布するタミル族という少数民族が差別を受けたりして、武装蜂起して内戦になっちゃいました。もともとはエゲレス人様が紅茶栽培の労働力としてインドから連れてきた奴隷だそうです。
流石エゲレス様、これで後々まで遺恨を残すとはやってくれます。
その経緯を見ていると、鶏が先か卵が先かみたいな話ではあるけど、だんだん焦臭い流れになってきたのが先なのかどうなのかはともかくとして、公正なる多数決によりまずタミル族の被選挙権が剥奪されました。これでタミル族の人は国会議員を送り込むことができなくなり。その後、更に公正なる多数決によりタミル族の選挙権が剥奪されました。
……それはもう確かに武装蜂起しちゃうかな……。
って正直思いましたですよ。結果的にここまで来たら他に方法が思いつかんわ。
そう思った人は他にも居たみたいで、日本で当時この反政府勢力(……となるよね多数決的に)をサポートする団体もあったみたいです。
ちなみに、この内戦は政府軍がタミル族を一方的に制圧する形で終わっているので、私はまた再燃する可能性はかなりあるのではと思います。

多民族国家の問題を考えるとき、私たちの属する資本主義・民主主義的な多数決の世界は本当に正義なのか?甚だ疑問に感じるのです。

でも、今の世界の情勢というのは、資本主義・民主主義的なところに属しない国にそれを強要する流れがあるような気がして、それはイスラムと非イスラム的なるものの対立とかとかとも相まってうーん……と……だから、私ごときがちょっと旅行したくらいで何かが分かるわけでも変わるわけでもないけど、遠いと感じるところ=価値観の異なるところ、へ行ってみたくなるのかなあ、とか思います。特にまとまり無いけどそんだけ。